「仕組まない」からこそ育つ、社員のモチベーション
- FIELD NOTES
DATE . 2025/08/26
こんにちは。経営のための創造社・二村康太です。日々、企業のMVV設計やブランディング、仲間とのプロジェクトを通じて「目に見えない価値を言葉と構造にする」仕事をしています。このnoteでは、日常の中でふと感じた経営や創造に関する気づきを綴っています。
老舗食品商社の現場ヒアリング
昨日は、最近プロジェクトが始まった老舗食品商社の幹部の方々へのヒアリングでした。
営業管轄、仕入れ管轄などさまざまな立場の方々にお話を伺いましたが、共通して印象的だったのは「社員」に関する話題でした。特に、人のモチベーションや成長に関する関心の高さです。
この会社は規模も大きく、ある程度の収益も安定しているものの、食品を扱っているためコロナ禍では大きな打撃を受けました。その経験もあってか、災害や危機的状況に対してはある種の“腹の括り方”をされている印象です。
「右肩上がり」に縛られない価値観
幹部の皆さんが共通していたのは、企業成長や利益拡大だけを追い求めていないという姿勢でした。
「社員や取引先であるホテル・レストランなどのパートナーが守れればいい」という考えがベースにあるのです。
社員教育についても、これまでほぼ仕組みなしで成り立ってきたという実態がありました。
そして、今後仕組みを導入するべきかどうかについては、それぞれが真剣に悩まれていました。
仕組み化のリスクを知っている会社
僕は以前から、「仕組み化しすぎることは、自分で生きる力を奪う可能性がある」と主張してきました。
もちろん、最低限のやり方や知識を伝えることは大切ですが、すべてをマニュアルにしてしまうのは“会社都合”になってしまう。そうした問題提起に対して、まさにこの会社は同じ危機感を共有しているように感じました。
自律的な支店経営の面白さ
さらに興味深かったのが支店運営のスタイルです。
稟議や決済こそ本部に必要なものの、支店単位で採算管理・仕入れ・営業・採用など、すべてを自律的に行っているとのこと。
これはまるで“B2B版のフランチャイズ”のようで、僕自身これまで聞いたことがありませんでした。
なぜ価値観が共有されているのか
社長は各支店を直接訪れて、社員と丁寧にコミュニケーションを取っているそうですが、全社的な総会や、理念を浸透させるためのツールは一切使っていないとのこと。
それでも、幹部の方々が語る価値観は、社長の考えと驚くほど一致していました。
しかもそれを“自分の言葉”で語られているのが印象的でした。
もちろん、社長から日頃のコミュニケーションで価値観が共有されているからこそなのですが、それが“マニュアルでの浸透”ではなく、“自然発生的な共有”になっていることに、大きな意味があると思います。
システムで理念を伝える危うさ
このnoteでもよく企業の取り組みを紹介していますが、あらためて「経営はテクニックやノウハウだけで語れるものではない」と感じました。
理念浸透のためのツールや、支店間のナレッジ共有の仕組みなど、「あった方が良い」ものはもちろんありますが、それが逆に調和を崩してしまう可能性もある。
すべてを勉強や理論で語ることは、相手や現場を無視する行為になりかねない。
そんなことに気づかされた、学びの深い一日でした。
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