会社のビジョンは理解している。でも、自分の人生とは結びついていない
- FIELD NOTES
DATE . 2025/12/22
こんにちは。経営のための創造社・二村康太です。
企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)策定やブランディング、組織づくりを軸に、
経営者や事業責任者の方々と一緒に「なぜその事業をやるのか」「どういう組織でありたいのか」を考える仕事をしています。
このnoteでは、日々の支援や対話を通して感じたことを、
個人の人生と、組織・ビジネスのつながりという視点で記録しています。
ワークショップで見えた、少し意外な事実
先週、大手老舗企業の中で、イノベーション文化を支える部門の皆さんに向けてワークショップを行いました。
テーマは、
この部門の目的は何か
施策の優先順位はどう考えるべきか
それぞれがどう成長していきたいのか
といった、組織と個人の両方に関わるものです。
改めてワークショップの中で、それぞれの視点から「この部門の目的」を言語化し、マッピングしていったのですが、少し驚いたことがありました。
部として明確なミッションを文章化しているわけではないにもかかわらず、ほぼ全員が同じ目線に立っていたのです。
これは偶然ではなく、
会社としての意義
トップが発してきた言葉
日々の意思決定や行動
そういったものが、きちんと現場に浸透している証拠だと感じました。
率直に「素晴らしい状態だな」と思いました。
「理念が浸透していない」は、本当だろうか
他の会社に置き換えて考えると、
「理念やMVVが浸透していないから、理念浸透のワークショップをやる」
という話はよく聞きます。
ただ、実際に話し合ってみると、
思っている以上に理解している
言語化されていないだけで、感覚的には共有されている
会社に対する誇りを、ちゃんと持っている
というケースがとても多い。
その瞬間に見えてくるのは、
「理念がない」のではなく、「個人と理念の接続が弱い」という状態なのではないか、という仮説です。
いま必要なのは「個人の目的」に向き合うこと
ここ10年以上、
「企業には哲学やビジョンが必要で、それで一丸となることが大切だ」
という文脈で語られることが非常に多かったと思います。
それは間違いなく重要ですし、否定するものではありません。
ただ一方で、
ビジョンや理念は理解している
会社の方向性にも共感している
にもかかわらず、
それを自分のキャリアや人生の目的と、どう結びつけるかを
自分自身で説明できる人は、実はとても少ない
という現実もあるように感じます。
自分で自分を動機づけることは、想像以上に難しい。
だからこそ、上司の役割は「管理者」よりもコーチに近い存在として捉えたほうがいいのではないかと思っています。
しかし、上司自身も苦しい立場にいる
ただし、その上司自身もまた、
中間管理職として非常にしんどい立場に置かれていることが多い。
上からの期待
下からの不安や不満
結果責任
その板挟みの中で、部下のキャリアや目的にまで向き合うのは簡単なことではありません。
理想的には社長がその役割を担えればいいですが、
大きな会社になればなるほど、物理的にも心理的にも難しくなっていきます。
親子のような関係性による甘え
逆に、怖さからくる本音の言いづらさ
そういった要素も重なり、
社長と現場の間には、どうしても距離が生まれてしまう。
なぜ「企業コーチ」が必要とされるのか
最近、大手企業が企業コーチを導入しているケースが増えていますが、
この流れにはとても納得感があります。
ただし、ここで重要なのは、
どんなコーチでもいいわけではない
という点です。
経営の意思決定、現場の葛藤、組織の力学。
それらを自分自身の経験として通ってきた人間でなければ、
社長の気持ちと現場の気持ち、その両方に本当の意味で寄り添うことは難しい。
僕らが担うべき役割
今回のワークショップを通して、
改めて「ここは僕らが担っていくべき領域だな」と強く感じました。
会社の理念やビジョンを理解した上で
個人の目的やキャリアとつなぎ
上司と部下、経営と現場の間を翻訳する
その橋渡し役として存在すること。
理念を“押し付ける”のではなく、
個人の人生と自然につながる形で意味づけ直していく。
これからの組織には、
そういう関わり方がますます求められていく気がしています。
経営のための創造社では、
MVV策定やブランド設計だけでなく、
経営と現場の対話設計
管理職・次世代リーダーとの壁打ち
組織と個人の目的をつなぐワークショップ
といった取り組みも行っています。
「理念はあるが、個人と結びついていない気がする」
「管理職が孤立している」
「組織として次のフェーズに進みたい」
そんな違和感がある方は、
お気軽に声をかけてください。
同じ問いを、一緒に考えていけたらと思います。
私たちが配信している番組
仕事やキャリア、文化をめぐる対話を、音声でも発信しています。
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