部活のような会社で学んだ、組織の未来のかたち〜本来の多様性とは?
- FIELD NOTES
DATE . 2025/06/30
こんにちは。
経営のための創造社、代表の二村です。
企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)設計から、戦略立案、社内浸透、ブランディング支援まで、企業の“軸”を整える仕事をしています。
このnoteでは、日々ご一緒している企業とのリアルな現場や気づきを共有しています。
先週土曜日、愛知県東海市にある支援先企業の「経営指針発表会」に参加してきました。
昨年9月からご一緒している会社で、MVVの策定、戦略立案、ロゴ制作、社員参加型のワークショップまでを行い、今は隔週の経営会議にも同席しています。
今回はその集大成として、会社創業以来はじめての「全社的な指針発表会」が実施されました。
しかも、ただの発表会ではなく、社員自らの言葉で語る、双方向型のセッションでした。
見過ごしていた“当たり前じゃないこと”
経営発表会、年次キックオフ、事業戦略の共有会議…。
我々にとって当たり前に思えるこれらのイベントが、実は「はじめて」の会社も少なくありません。
しかも今回は、社長やリーダー層だけでなく、現場社員が積極的に発言し、
「なぜこの方向に進むのか?」という意図を自分たちの言葉で返してくれたのが印象的でした。
中には、昔“ちょっとアウトロー”な方もいて(笑)、小難しい話に興味を持ってくれるか不安もありました。
でも、それは完全な思い込みでした。
全員が真剣に耳を傾け、思い思いの意見を出してくれました。
それだけではなく、寝ている人はひとりもいませんでした。これは相当すごいことだと思います。
「部活的」構造がもたらすフラットさ
この会社は、プラントや機械のメンテナンスを行う職人集団です。
現場には溶接や洗浄などのスペシャリストがそろい、新規事業として地盤改良もスタートしています。
構造的に特徴的なのは、いわゆる企業的なヒエラルキーがほとんどないこと。
社長がいて、各班を束ねる「班長」がいて…という最小限の指揮系統はあるものの、
本質的にはとてもフラットで、「部活」に近いチーム構造です。
この特性を活かして、我々は職能型×役割チーム制を導入しました。
「技術」「教育」「営業」「マネージャー」「管理」などの領域ごとにリーダーを配置し、
社員は興味のある領域に“弟子入り”するような形式にしたのです。
100万円で50周年の企画を考えよ!
発表会では、これをベースにしたワークショップも行いました。
ルールはシンプル。
興味あるチームのリーダーのもとに集まり、100万円の予算で50周年記念企画を提案せよ。
驚いたのは、その場でスッと移動し、すぐ盛り上がり、議論をスタートしたこと。
普通は遠慮したり、誰かの動きを待ってから動くものですが、ここでは違いました。
そして出てきた案の多くが「社員旅行」だったのです。
これは、現代社会ではややタブー視されることもある言葉です。
「仕事とプライベートは分けたい」「休日まで一緒は無理」
そんな声が主流の中で、あえて“旅行”を求めるこの会社の空気は、とても興味深く感じました。
会食の空気ににじむ“文化”
発表会後は、社員の皆さんと一緒に会食。
これもすごかった。
年齢もバラバラなのに、みんな友達のように和気あいあい。
顔色をうかがうような空気もなく、ただ純粋に楽しそう。
中には、三世代で勤めている家族もいて、班長クラスは勤続20年以上。
70代のベテランも、20代の若手も、全員が「仲間」。
まるで高校の部活のような光景で、僕自身も学生時代に戻ったように心から笑いました。
ちなみに女性は、副社長(社長のお母様)と取締役(お祖母様)の二人のみ。
現場は全員男性という環境も、この空気の“濃さ”に影響しているのかもしれません。
多様性とは、均質化ではない
会議では、「女性の溶接職人も受け入れたい」という声もありました。
もちろん歓迎されるべき姿勢ですが、僕はこうも思います。
「無理に多様にしなくてもいいのでは?」
もちろん、排除を正当化する意図はありません。
ただ、その会社には、その会社に合った文化があります。
昭和的とか令和的とか、ジェンダーの枠で語るのではなく、
“その会社らしさ”に沿った多様性のあり方を探る方が、よほど誠実なのではと感じました。
おわりに
この発表会を通じて改めて感じたのは、
“型にハマらない組織こそが、現代的な組織の先端である”ということでした。
目的や構造よりも、空気感や信頼関係が先にある。
そして、意思がある人のもとに人が自然と集まる。
そんな組織にこそ、これからの経営のヒントが詰まっている。
そして、だからと言って狙っても同じ構造はつくれない。
この会社の文化はとてつもない優位性だ。と感じた一日でした。
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