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「仕事は”人情”であるということ」。フリーランスが語る仕事論とチームハック 後編|ケイソウシャのコンテンツNO.3

2024.01.15

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前編はこちらから

今回も”チームハック”をテーマに「ケイソウシャに参画しているフリーランスの働き方」についてディスカッションをしてみた。ケイソウシャ内の話だけでなくフリーランスならではの価値観や悩みも入り混じった記事になっているので、そういった部分も観察していただけるとありがたい。

対談メンバー

二村あみ

2019年にフリーライターとして活動を開始。現在はwebライティングをはじめ、コピーライティング(サービス・プロダクト・広告・Webサイトなど)やシナリオ・脚本制作(ゲーム・イベント・PR動画など)を行なっている。小説や詩、エッセイや写真などの表現活動にも取り組み中。三度の飯より珈琲が好き。ボルダリングにハマり中なので、週に3日くらい壁に張り付いている。

野々大樹

大学で海洋生物学を専攻、シジミについて学ぶ。東京、徳島、福岡で営業や地方創生、マーケティングの仕事を転々とする。現在はデジタルマーケティングが本業。

黒岩百香

大学卒業後、専門学校の運営や子ども向け事業の立ち上げ他、映画の製作/宣伝/配給等を経験。クリエイターのサポート・教育を軸に、映像、ファッション、音楽、デザインなど、色んな分野に関わってきたことが自分の財産。愛猫ふわこのことが何よりも大切。夢はねこ雑貨のお店をやること。

いそっち

事業戦略策定、戦略に基づく戦術(マーケティング、コンセプト、コンテンツ)の企画を生業としている。 以前はアドテク業界でトレーダー、HR業界でアナリストを務める。座右の銘は「1%くらいが好きになってくれれば良い」。好きな食べ物TOP3はいちご大福、柿の種チョコ、サーティーワンのポッピングシャワー。Twitterアカウント「ふたむら、曰く@observefutamura(https://twitter.com/observefutamura)」の運用者。お仕事のご相談はお気軽にDMまで!」

定時に固定されない柔軟な働き方を経験したことのない会社員の方は、フリーランスになった時の調整が結構むずい

いそっち 例えば、「いそっちがこの前担当してくれた記事なんだけど、クライアントさんから指摘があって誤字脱字を修正してほしいんだけどできる?」って言われたらすぐに対応します。それはやるべきことなのでやらないといけない。そういうのではなくて、新たな依頼や相談についてはさっきのスタンスでスケジュールの舵を取ります。自分が想定しているスケジュール線上に新しいことが飛び込んできた時には「すんなり受け入れない」ってことを意識しています。でも結局、やらなくても良い時間を意識的に作ることで新しいことをやってみようって気持ちになってくるというか。

黒岩百香 なんとなくわかります。でも不安も一緒についてきちゃうと思いますね。

いそっち 僕も不安な気持ちはあります。

黒岩百香 あ、あるんですね(笑)

いそっち あります(笑)でも、不安に思って「この日までに企画書を作らないと!」ってスケジュールを逆算してタスクを切って、毎日たくさん情報収集をしたり本を読んだりしても発想って出てこないんですよね。発想ってふとした時にしか降りてこないから、根を詰めて良いアウトプットなんて出るはずがない。だからたとえば、企画書の提出が2週間後って決まっていたとしたら、情報を溜め込む期間を1日とかに集約させてそのあとの13日間は忘れるんですよ。で、その間にストレンジャーシングスとかポケぇ〜って観てるとフッと降りてくるんです。奇跡的に。だいたい締切の前日とかに降りてくるんですよ。

黒岩百香 降りてこないことはないんですか??(笑)

いそっち ないんですよ。

二村あみ (笑)

いそっち 深層心理というか、差し詰め深層脳が「溜め込んだ情報をパズルみたいに組み合わせて、アウトプットしなくちゃならない!」ってフル稼働してるんでしょうね。あとは締切を守る前提で動くのは当たり前なんですけど、「まぁ、正直1日とか2日提出遅れちゃっても良いや!」って開き直った気持ちで臨むのが大事。そうすると逆に締切に間に合わせられるっていう(笑)

黒岩百香 えええ?!(笑)

野々大樹 え?!(笑)

二村あみ (笑)

いそっち 時間管理も、周囲に無理に合わせてパフォーマンス下がるなら本末転倒ですからね。僕会社員時代から絶対に定時で帰る人間だったんですよ。

黒岩百香 ええー!すごい、偉い。

二村あみ 今のいそっちのスタンスはその当時からもう出来上がってたんですね(笑)

いそっち あんまり変わんないです。でも理由もちゃんとあるんですよ。所属していたのがインターネット広告の会社だったから、広告主さんの広告効果を24時間常にウォッチできる環境にしておくことが大事だったんです。

野々大樹 分刻み、時間刻みで状況が変わる業界ですもんね。

いそっち そうなんです。だから会社員時代から自分で時間配分決めないと死んじゃうみたいな状況で働いていたから、結構それが今に活きている感覚があって。

黒岩百香 リモートワーク普通、みたいな?

いそっち リモートワークは普通だし、土日や連休、あと年末年始が一番忙しいんですよ。

黒岩百香 いそっちがSNSの運用をなんであんなに頑張れたのか理由がわかりました(笑)私は当初、フリーランスって時間とかタスクとかを誰かに決められた上で仕事をする人ってイメージでしたけど、いそっちは違いました。

いそっち 逆を言えば、定時に固定されない柔軟な働き方を経験したことのない会社員の方は、フリーランスになった時の調整が結構むずいと思うんですよ。時間配分もそうだし、あとは背徳感(他の人が働いている日に休んだりすることで生じる感覚)の取り除き方だったり。

黒岩百香 そうですね。

いそっち みなさんがそれにどうやって順応していったのか気になりますね。

締切を”意識的に守りすぎる”っていうのはそれ以上発展しないんですよ。喜びも悲しみも。

黒岩百香 私の場合は、最初の会社はリモートなしの定時での仕事だったんですけど、その次の会社がBtoCビジネスをやっていたので定時外でお客さんからの連絡・問い合わせに答えたりはしていました。シフト制だったのでお休みもあるし、自分がいない時には他の誰かが対応してくれる環境だったんですけど、それでも「自分でやっちゃった方が楽だな」とか思って休日に仕事の対応をしたりとかは結構ありましたね。だからフリーランスになっても違和感なくできたのかなと。

二村あみ なるほど。

黒岩百香 ただ、家にパソコンを持って帰れなかったんですよ。個人情報の観点で。しかも22時にパソコンが切れるっていう仕様になっていて。できる時にやるしかない。休日は休むけど、タスクが溜まって消化しないといけない時はめっちゃやる、みたいな(笑)

いそっち プライベートと仕事の線引きも結構難しいですよね。フリーランスになった当初はそこが結構課題だったなぁと。

野々大樹 どのタイミングで線引きできるようになりましたか?

いそっち 僕の場合は仕事を断わるようになってからですね。最初は不安だからどんな仕事でも「できます!」って嘯いて請け負っちゃってたけど、できないことまで「できます!」って言ってしまうと誰も幸せにならないって気づきました。とはいえ、そこに気づくまで大変でしたけど(笑)フリーランスなりたての頃は「お金を作るための活動」だったんですけど、そこから「自分をプロデュースする活動」に変わっていきました。

その中で、本来自分の中でモチベーションが上がらないことでも、「それをやることによって誰々が喜んでくれるかな?」って気持ちが芽生えると計画にないこともやれるってことにも気づきましたね。

黒岩百香 やんなきゃいけないことをやってもそんなに嬉しくないけど、やんなくても良いかなって思ってたものをちゃんとやると「やって良かったな」ってなる、みたいな感じですか?

いそっち そうそうそうそう!そうなんですよ。いつもやってないこととかでも、相手のことを考えてやってみると「やってくれてありがとう!」ってなる。でも、それを計画に組み込んでしまうとマンネリしてしまう。だから締切を”意識的に守りすぎる”っていうのはそれ以上発展しないんですよ。喜びも悲しみも。

二村あみ うんうん。

いそっち だから”自分の中で意図的に偶発性を作る”っていうのが大事で。たとえば締切を自分で作って、自分で設けた締切日の2、3日前に出したりする。そうすると「俺って最高じゃん!すごいな自分!」って褒めてあげられる。で、帰り道にコンビニで売ってる一番高いビールを買ってあげる、みたいな。当たり前の社会常識の中で、自分をどうにかして褒めてあげられる土台を作ってあげるっていうのが重要かなと。深層脳の中から「ポンッ!」って発想が生まれてきた時に実行するっていうのが1番気持ちいいんですよ。ストレスにもならないし。やらなくても良いと思っていた時にアウトプットが出ると仕事した感も得られる。

黒岩百香 なんかわかります。でもケイソウシャのメンバーって「振られたタスクをなかったことにする人がいない」っていうか。いまやらなきゃいけないことでもないけど、将来的にやろう!みたいな企画の内容とか覚えてる。会社とかだと、誰も覚えてないことが多い。

いそっち そうはそうっすね。アウトプットが出てくる信頼はめっちゃ高いですね。

二村あみ たしかに。

黒岩百香 いそっちとはすごいそこが合うなって思います。言ったことをお互いが絶対忘れてないなって感じが。

お金のこととなるとちょっと相談しづらいですよね(笑)

いそっち みなさんも、たとえば任されたタスクを消化できていない時に「なんでそれをやっていないのか」っていうのを聞いて説明できる人たちしかいない。「ただめんどくさいからやってない」って人はいないから、単なるサボり癖の強い人がケイソウシャに入ってくると居心地悪いかもですね。

黒岩百香 ”タスクに自分で優先順位をつけても良い環境”がここにあるからでしょうね。多分フリーランスってリソース状況とか考えてもらえずに仕事押し付けられる立場になることが多いけど、ケイソウシャは相手の状況も考える。

二村あみ 「ここ今ちょっと苦しいです」って相談をしたら聞いてくれるし、改善策も提案してくれるし、場合によっては巻き取ってくれたりするから、そういう柔軟なコミュニケーションも取りやすいですよね。

でも、フリーランスの立場からして、お金のこととなるとちょっと相談しづらいですよね(笑)

いそっち えへへへ(笑)

野々大樹 う〜ん(笑)

黒岩百香 (笑)

いそっち でも「本来だったらこれくらい貰っておくべきなんですよ」っていうのは伝えておいた方が良いとは思います。お金が潤沢に入ってきた時に1番最初に思い出してもらえるじゃないですか。

二村あみ あー。えー、そういうの言うのすごい苦手です(笑)

いそっち まぁ、そうですよね(笑)ちなみに、発想の転換というか、自分のこれまでのキャリアと違うことをいきなり任せてもらえて、未経験でも戦略考えさせてもらえて、しかも固定時間でお金もらえて、悩みがあったら相談もできるって「こんな幸せなことないぞ?!」って僕は思うんですよ。”学校通いながらお金もらってる”みたいなもんじゃないですか。

二村あみ うんうん。たしかに。

いそっち だからそれを高いか安いかを評価する時に、世の中の同年代の報酬相場とかでしかお金を判断することができない人はちょっと難しいですよね。自分の中で「自分はどれだけ価値があるのか?」を変換できるっていうのが結構大事なのかと。

有機的な人間関係の上に仕事を成り立たせないと仕事のクオリティも報酬に関してもパフォーマンスを出すって難しい

二村あみ フリーランスって、自分でストレスをかけるところとかけないところを選べるじゃないですか。不意のストレスがない、というか。

黒岩百香 私は”ストレスが当たり前になっていない怖さ”があります、今。

二村あみ あー。

黒岩百香 必ず怒られる環境の方が楽かもなぁって思う時もある、、(笑)

二村あみ あるんですか?!(笑)

いそっち ええええええええぇ?!すげえ、、まじで?!

黒岩百香 会社員だと全員が数字持ってるじゃないですか。営業でもバックオフィスでも。みんなそれぞれの目標を持っているので誰でも怒られる可能性があるから「怒られてもいいんだ!」「ダメでも頑張ろう!」みたいな(笑)

いそっち ハハハハハハ!(笑)

黒岩百香 今は怒られるとかないじゃないですか。嫌だったら切られる。それでお終いなので。

いそっち 僕ね、この前ケイソウシャの仕事で大遅刻かましたんですよ(笑)

二村あみ この前のティール組織の収録の時ですよね?(笑)

いそっち あの時に、本当にマジで申し訳ないと思ったんですよ。

野々大樹 いや、全然大丈夫ですよ(笑)

いそっち 遅刻したら申し訳ないと思うし、ごめんなさいって言う。でもあの収録の日に自分の口から出た「ごめんなさい!」っていう言葉は日常的なやつよりもマジだったんです。ケイソウシャにいるメンバーって素直に謝るし、みんなを待たせてしまった時間分頑張ろうと素直に思う人たちじゃないですか。それが自然発生しているっていうのはすごく健康的だと思っていて。

黒岩百香 うんうん。

いそっち 謝れない人っていうのが世の中にいて、その中では舐められないようにブラフで謝らない人もいたりすると思うんですよ。でもケイソウシャはみんなが謝れる人たちだから、僕もマジで申し訳ないって思う。怒られる前に全員がしっかり仁義を通す人たちだから、黒岩さんの怖さでもある”怒られない”って現象が生まれているのかもしれないですね。

黒岩百香 恵まれているのかもですね。でも一般的には「どうやって委託元にロイヤリティを持つか?」って難しいテーマですよね。

野々大樹 それは本当に難しくて。納期がガチガチに決まっていると、ちょっとだけゲンナリするというか。その中で、自分のプラスアルファを考えた方が良いんじゃないですかね。

いそっち うんうん。

野々大樹 みなさんの話を聞いていると、すごく有機的な人間関係の上に仕事を成り立たせないと仕事のクオリティも報酬に関してもパフォーマンスを出すって難しいし、仕組みに載せちゃうとさらに難しいのかなってすごい感じましたね。役割をかっちり決めちゃうと、それを果たすだけになってしまうので。

企画・写真 泡沫コト

7歳の頃から小説を書くことに魅了され、2018年からフリーランスライターとして活動開始。現在はwebライティングをはじめWebサイトや広告などのコピーライティングや、
ゲームやイベント、映像関係などのシナリオ・脚本制作を行なっている。また、小説や詩、エッセイや写真などの表現活動を通して物語やコンセプトの創作にも取り組んでいる。好きなものは珈琲、散歩、温泉、アート、エンタメ全般。これからゲーム配信に挑戦しようとしている。

企画・文章・編集 いそっち

事業戦略策定、戦略に基づく戦術(マーケティング、コンセプト、コンテンツ)の企画を生業としている。 以前はアドテク業界でトレーダー、HR業界でアナリストを務める。座右の銘は「1%くらいが好きになってくれれば良い」。好きな食べ物TOP3はいちご大福、柿の種チョコ、サーティーワンのポッピングシャワー。Twitterアカウント「ふたむら、曰く@observefutamura(https://twitter.com/observefutamura)」の運用者。お仕事のご相談はお気軽にDMまで!

対談実施場所

Studio HEYA(スタジオ・ヘヤ)

東京・西日暮里にあるキッチン併設のハウススタジオ。
朝も夕も自然光が差し込む2階の南西向きに位置しており、木とアイアンとヴィンテージ家具がバランスよく調和する空間です。
ファッションポートレートや商品撮影、キッチンシーンを取り入れたライフスタイルカット、自然光を活かしたレシピカットなど、さまざまなシーンの撮影に適応できます。

スタジオの詳細が知りたい方はこちらから!(https://heya.lamm.tokyo/

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