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「仕事は”人情”であるということ」。フリーランスが語る仕事論とチームハック 前編|ビジネス現場の経営論 NO.3

2024.01.10

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記事冒頭、筆者の持論展開から始まることをお許しいただきたい。しかし声を大にして言いたいことがある。
「フリーランスはそれぞれが”自分という会社”の社長なのだ」と。

合同会社経営のための創造社(以下:ケイソウシャ)は正社員を雇用していない。代表のふたむら康太とフリーランスのみで構成されている珍しい組織形態だ(もちろん言うまでもなく全員が個人事業主である)。

参画しているメンバーは案件ごと・社内のプロジェクトごとに編成を変える。ひとつの目標を達成するために編成される集団 ーアート界隈では「アート(アーティスト)・コレクティブ」と呼ばれて久しいが、この場合は差し詰め「ビジネス・コレクティブ」と呼べるだろうー には雇用関係がない分、定性的(例えば心の繋がりのよう)な要素を重視する必要があったりして結構特殊で面白い。

この組織体をテーマとすれば、これからフリーランスを志す人や正社員以外のパートナーとの取り組みを検討している企業の参考資料となるはずだと思う。今後バリエーション豊富に内情を伝えていく予定だ。第一回目の今回は”チームハック”をテーマに「ケイソウシャに参画しているフリーランスの働き方」についてディスカッションをしてみた。

ケイソウシャ内の話だけでなくフリーランスならではの価値観や悩みも入り混じった記事になっているので、そういった部分も観察していただけるとありがたい。フリーランスであっても会社員であっても、仕事をする上で”人情”が大事というお話。

対談メンバー

二村あみ

2019年にフリーライターとして活動を開始。現在はwebライティングをはじめ、コピーライティング(サービス・プロダクト・広告・Webサイトなど)やシナリオ・脚本制作(ゲーム・イベント・PR動画など)を行なっている。小説や詩、エッセイや写真などの表現活動にも取り組み中。三度の飯より珈琲が好き。ボルダリングにハマり中なので、週に3日くらい壁に張り付いている。

野々大樹

大学で海洋生物学を専攻、シジミについて学ぶ。東京、徳島、福岡で営業や地方創生、マーケティングの仕事を転々とする。現在はデジタルマーケティングが本業。

黒岩百香

大学卒業後、専門学校の運営や子ども向け事業の立ち上げ他、映画の製作/宣伝/配給等を経験。クリエイターのサポート・教育を軸に、映像、ファッション、音楽、デザインなど、色んな分野に関わってきたことが自分の財産。愛猫ふわこのことが何よりも大切。夢はねこ雑貨のお店をやること。

いそっち

事業戦略策定、戦略に基づく戦術(マーケティング、コンセプト、コンテンツ)の企画を生業としている。 以前はアドテク業界でトレーダー、HR業界でアナリストを務める。座右の銘は「1%くらいが好きになってくれれば良い」。好きな食べ物TOP3はいちご大福、柿の種チョコ、サーティーワンのポッピングシャワー。Twitterアカウント「ふたむら、曰く@observefutamura(https://twitter.com/observefutamura)」の運用者。お仕事のご相談はお気軽にDMまで!

二村あみ 今回は”チームハック”をテーマに、皆さんの働き方について答えられる範囲で話していけたらなと思います。

いそっち 僕もですけど、皆さんどういう風に他の人が働いているのか知りたいですよね。

二村あみ 知りたいです(笑)

野々大樹 ほぼ自分のことしか知らないので(笑)

いそっち ひとりひとりが喋りながら、それに対して都度みんなが質問していく方が面白そうですね。飲み会みたいに。

二村あみ もうラフに(笑)。ケイソウシャのコンテンツのテーマは『ラフ』なんで。ちなみに私の場合は「月にこれくらいの時間をケイソウシャに使います」って契約になっていて、案件単位で締切を定めて動くみたいな感じです。今だとこういったコンテンツの制作もあるので、それに関するやり取りをチャットで行ったりとか。

野々大樹 僕も「おおよそこれくらいの時間です」って契約をしています。ケイソウシャ以外にも大小あれど数社契約させてもらっていて、都度相談しながら時間を増やしたりタスクを増やしたりしていっています。

二村あみ あ、案件単位ではないんですね。

黒岩百香 フリーランス界隈で時間契約って多いんですかね?

二村あみ 時間契約と案件単位と両方ありますよね。

黒岩百香 あみちゃんは他の会社との取り組みだとどっちが多いですか?

二村あみ 案件単位が多いですね。それか、「毎月〜本」って決めて月単位の契約にしたり。単発のスポットもある感じです。

企画や提案をするだけの人ではなくて、動かした人になりたい

野々大樹 僕は今年(2023年)からフリーランスになったんですけど、自分のリソース配分とか時間数とかの調整方法が正直まだ全然掴めてなくて。企業勤めだったら目の前の業務のことだけを考えたら良いと思うんですけど、フリーランスは自分で稼がなくてはいけない。複数社から発注をもらったりすると思うんですけど、気づいたらオーバーワークになっていてバランスが取りづらくて。委託先と委託元がお互い成長していけるのがベストなんですけど、やっぱり基本的には帳尻を合わすことが難しいので「どうやったら良いんだ??」って感じです。

いそっち うんうん。

野々大樹 月によって「結構やりきったな!」って思うこともあれば、「ちょっと時間かかり過ぎたな、あまりできなかったな」って思うこともあるので。営業と同じで、やればやるだけ伸びるじゃないですか。でもどこにリソースを活用して対価に見合った価値を提供できるのかっていう部分をまだ見出しあぐねている感じです。数字目標を置くのか、成果物で決めるのか、時間で報酬をもらうのか。プロジェクトごとに「自分はこのスタイルでいく」っていうものを持っておかないとコントロールが効かなくなるんだろうなって思っています。

いそっち 確かに。皆さん業務内容・職務内容が違うので、それぞれがどのようにスケジュールを切っていて、あるプロジェクトに対してどのような意気込みで仕事しているのかは気になりますよね。あと、野々さんは今の所マーケティング分野を務められているから、ある程度の数字結果がでないと分析もできないですもんね。

野々大樹 そうですね。

いそっち 逆に僕は戦略と企画が担当なので、そこが済んじゃったら次は何をしようって考える時間が必要になるし。

黒岩百香 私は制作進行みたいな立場なのでプロジェクトが止まっちゃわないように進行させ続けるのが仕事だと思っているんですけど、その仕事でどう達成感を見出すかってよりかは「そのプロジェクトに関われたことで達成感がある」というか。自分が面白いと思えることに携われているから、難しいことや大変なこともあるけど、、うーん、なんて言えば良いんだろう・・・(笑)

いそっち 映画のエンドロールのスタッフクレジットに乗っていれば「やりきった!」と思える、みたいな?

黒岩百香 あ、そうですそうです。「なんかしたよ!」って言える人であれば良いかなみたいな。「何もしなかったんだよ!」じゃなくて「一応なんかしたよ!」って感じで、大変なことが1個でもあれば良いかなって思います。なので”プロジェクト自体に関わっている”という気持ちを持ちながら仕事をしたいっていうのが私の中のスタイルなのかなと。企画や提案をするだけの人ではなくて、動かした人になりたいです。

いそっち おもしろいな。

二村あみ おもしろいですね。

黒岩百香 でもまぁ、ふたむらさんが良いって思えば良いじゃないですか。みんなもそうだと思うんですけど。”ふたむらさんが喜んでくれるかどうか”、みたいな。

いそっち そうっすね。

二村あみ シン組織論の収録の時も思いましたけど、やっぱりケイソウシャはコミュニケーションの取り方が密ですよね。

黒岩百香 ふたむらさんは各メンバーそれぞれにコミュニケーション取っている感じはしますよね。

いそっち あんまいないですよね、ふたむらさんみたいな人。

どちらも優先順位が高い時にどうやって消化すれば良いのか?っていうところに悩む

二村あみ 黒岩さんのスケジュール管理ってどんな風にしていますか?黒岩さんが関わっている案件って何かしら毎日動いているので。

黒岩百香 自分でスケジュールを決めてその通りに遂行するのが結構苦手で(笑)やろうと思ってもできなかったりするタイプなので「毎日ちょっとずつ動く」ってことを意識してやっています。

いそっち なるほどなー。あみさんはどうですか?

二村あみ 私は結構締切が決まっているものが多いので、ポストイットとかめっちゃしてます(笑)

黒岩百香 へー!

二村あみ 直近のToDoとか書いて管理しています。スマホのアプリにも案件の締切は書いているんですけど整理はしやすくないので、ポストイットですね。ののさんはどうですか?

野々大樹 スケジュールアプリにカレンダー表示して、締切を入れて、それまでにアウトプットするって感じですね。依頼が来たものに対して、順番に進めているって感じです。でも難しいなと思うのが、納期が決まっていないけど大事なタスクがあって、そんな時に納期のある他のタスクも相談ベースから入ってきた時ですね。どちらも優先順位が高い時にどうやって消化すれば良いのか?っていうところに悩むというか。振り分けが難しい。

いそっち 野々さんの関与できる範囲が広いですもんね。「あれも野々さんに聞こう、これも野々さんに聞こう」ってなる場面が多いから、野々さんからしてみれば「あれもきた、これもきた」みたいな(笑)

二村あみ (笑)

野々大樹 それで結局後巻きになっちゃったりとか。なんかその、悩み相談みたいになっちゃいますけど(笑)

一同 アハハハ!(笑)

野々大樹 フリーランスといえど、全員が全員きっぱりとタスクを管理できる人じゃないと思うんですよね。だから、大切なのは”何で働くか”ですよね。タスクで働くのか、ミッションで働くのか。それが曖昧だと、どこを向いて仕事をすれば良いのかちょっと悩んじゃいます。それに加えて全部相談を受けていると爆発するんで。

いそっち 僕の仕事の向き合い方の話で行くと、”パスを出している状態”をどれだけ長い時間取れるかっていうのを目指していて。まずは”ボール(質問されたこととか依頼されたタスク)を持たない”っていうのが大前提なんですよね。相手からしてみたら「やっとパス出したのに、すぐパス戻ってきて鬱陶しい!」って思われるかもしれないですけど(笑)でもゴールまで進むために1番必要なのはパスの連続だと思うんですよね。理論じゃなくて、ただの経験則なんですけど。パスをもらった側って結構忘れるんですけど、パスを出した側って忘れないんですよ。「あれ、あの人にパス出したけど返ってこないな?」みたいな。なので、パス出してた側が結局全体の進捗を把握しやすい。

二村あみ うんうん。

いそっち ずっとボールを持っていても、自分のモチベーションが変数でしかないっていうか。その時のモチベーションで全部判断するというか。だから「当日で申し訳ないんだけど、今日中にこれやっておいてください」って依頼は絶対やらないんですよ。もう風呂入って寝ようと思っていたのに、モチベーション上がる訳ないっていうか。「明日中でも良いので、やってくれない?」って言われたら考えますけど、明日を休みにしていたら絶対やらない。だって、明日休みだから。でも当然スケジュールは提示します。断るだけじゃなく「1週間後ぐらいまでに着手するなら良いですよ」みたいな。自分の”今日”が”1週間後の今日”までっていう範囲で考えています。

二村あみ スケジュールの舵をいそっちが握っているんですかね。

後半に続く

企画・写真 泡沫コト

7歳の頃から小説を書くことに魅了され、2018年からフリーランスライターとして活動開始。現在はwebライティングをはじめWebサイトや広告などのコピーライティングや、
ゲームやイベント、映像関係などのシナリオ・脚本制作を行なっている。また、小説や詩、エッセイや写真などの表現活動を通して物語やコンセプトの創作にも取り組んでいる。好きなものは珈琲、散歩、温泉、アート、エンタメ全般。これからゲーム配信に挑戦しようとしている。

企画・文章・編集 いそっち

事業戦略策定、戦略に基づく戦術(マーケティング、コンセプト、コンテンツ)の企画を生業としている。 以前はアドテク業界でトレーダー、HR業界でアナリストを務める。座右の銘は「1%くらいが好きになってくれれば良い」。好きな食べ物TOP3はいちご大福、柿の種チョコ、サーティーワンのポッピングシャワー。Twitterアカウント「ふたむら、曰く@observefutamura(https://twitter.com/observefutamura)」の運用者。お仕事のご相談はお気軽にDMまで!

対談実施場所

Studio HEYA(スタジオ・ヘヤ)

東京・西日暮里にあるキッチン併設のハウススタジオ。
朝も夕も自然光が差し込む2階の南西向きに位置しており、木とアイアンとヴィンテージ家具がバランスよく調和する空間です。
ファッションポートレートや商品撮影、キッチンシーンを取り入れたライフスタイルカット、自然光を活かしたレシピカットなど、さまざまなシーンの撮影に適応できます。

スタジオの詳細が知りたい方はこちらから!(https://heya.lamm.tokyo/

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