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第4回:深く知る前から、具体的な提案はできません。

2022.01.10

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この連載記事では、『経営のための創造社』代表の二村康太さんと話をしながら、仕事に対する考え方や進め方について深堀りをしていく企画です。 企業の経営者や担当者の方が、この記事を読んだ時に仕事上のヒントになることを散りばめられればと目論んでいます。 第4回目はクライアントに対しての初回提案について考えていきます。

フェーズの確認
連載第3回目では企業の本質を掴むためのヒアリングの重要性について、二村さんの考え方を紹介した。 ヒアリングをすることで、クライアントの抱える問題点を深掘りすることが、初回提案につながっていくと話してくれた。 第4回目では、ヒアリングをもとにしたクライアントへの最初の提案内容について探っていきたい。 「クライアントの現状や課題、そして目指していることを詳らかに紐解いていくために、まずはヒアリングを徹底的にします。 それを元に分析をし、初回提案をするわけですが、すぐに具体的な内容を提示することはありません。 なぜならこのタイミングではそもそもできませんから」と話す二村さん。 まずはヒアリングでクライアントの現状を把握し、その立ち位置を明確化するのが『経営のための創造社』のスタイルだ。 「WEBマーケティングを主とする弊社の場合、クライアントは、ブランド構築までの将来的なスパンで経営を捉えている会社と直近の集客を求めている会社との2つに大きく分かれます。 前者は企業のブランディングを考えていきますし、後者はまずは優先ターゲットを突き詰める必要があります。 ヒアリングでそれぞれの会社のフェーズを見極めた上で、どのような初回提案をするか検討していきます」クリエイティブ執行役として経営課題に向き合う『経営のための創造社』ならではの初回提案の考え方だ。

初回提案は考え方の共有を重視

クライアントの現状を分析し、戦略のためのプロットについて初回では提案をするのが『経営のための創造社』のスタイルだ。 「初回では個別具体的なコンテンツ案は出さずに、考え方や体制のプロセスを提案します。 考え方のフレームを提案し、それをお互いに納得し、クライアントの社内で共有された状況になって初めて、細かな内容を提案していくという流れになります。 ゴール設定を定義することで、共通認識をベースに作業内容を明確化し、戦略構築をすることができます」二村さんは初回提案では考え方のプロセスを説明し、共通認識を深めていくと語る。 次回はクライアントへの見積もりについて考察する。

奥山泰広

株式会社POW-DER 代表取締役
1968年11月21日生まれ。慶應大学経済学部卒業後、出版社の世界文化社に入社。モノ&ファッションを扱う月刊誌Begin編集部配属され、2000年から編集長を務めました。2006年に退社し、1年間フリーの編集者の経験を積み、2007年11月に編集プロダクション株式会社POW-DERを設立。出版物の編集や広告案件、ファッションやスポーツ、クルマメーカーなどのカタログや広告などを中心に業務展開。現在では大学の広報誌や教育関係の専門誌、さらには企業のWEB制作や動画制作も手掛けています。
http://www.pow-der.jp

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