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第3回:リニューアルは必要?深層までヒアリングで潜ります。

2022.01.07

  • ヒアリング
  • 初回訪問
  • 営業

この連載記事では、『経営のための創造社』代表の二村康太さんと話をしながら、仕事に対する考え方や進め方について深堀りをしていく企画です。 企業の経営者や担当者の方が、この記事を読んだ時に仕事上のヒントになることを散りばめられればと目論んでいます。 第3回目はクライアントと対峙した時のヒアリングの心得について考えていきます。

ヒアリング
  連載第2回目では相手先への初回訪問時の心得について考察した。『経営のための創造社』の二村さんは、自社のアピールではなく、まずは相手の話をよく聞く姿勢でとのポイントを挙げてくれた。 第3回目では、相手の話を聞き、クライアントの望んでいることを達成するための、いわゆるヒアリングのポイントはどのようなところなのかを考えていきたい。 「前回は、初回訪問時にはとにかく相手の話を徹底的に聞くということをお伝えしましたが、そのヒアリングに関しても深掘りしていくという姿勢を重要視しています」と話す二村さん。具体的な事例を挙げてもらうと。 「『経営のための創造社』の場合、“ホームページを作りたい”“サイトをリニューアルしたい”とのお問い合わせが多いのですが、どのような人にホームページを見てもらいたいかを明確にするために、まずは担当者にひたすら話を聞きます。 『どんな問題を解決したいのか?』『そのサイトはどのように活用したいのか?』など話を聞いていくと、そもそもウェブサイトの改修の必要性があるのかなど、根本的な経営の問題であることが多くあるのです。営業先の見直しなど、ウェブとは全く関係ない部分で問題点を抱えていたりします。それゆえにしっかりとヒアリングをしていくことで、会社の抱える本当の問題点を深堀りしていくわけです」とのこと。 経営課題を一緒に解決するクリエイティブ執行役を担う『経営のための創造社』ならではのアプローチだ。  

ヒアリングの目的は本質を掴むこと

企業がホームページをリニューアルする理由は様々だ。しかし、企業にとってそれが目的に叶っているかは疑問のこともあるという。 「ホームページの存在自体を、会社の名刺代わりや会社案内としてしか考えていない企業が多いのではないでしょうか?そのために、サイトリニューアルの目的に明確な理由がない場合もよくあります。単純に古臭くなったから、システムの改修のついでに、などの曖昧な目的では、ホームページに対するしっかりとした評価が出しづらいもの。 ウェブ戦略を考えた時に、サイトリニューアルの目的と会社の現状や課題、そして目指していることをすべて明らかにして、統一見解にすることが大事なのです。 そのためにかなりの時間をヒアリングに費やし、目的をはっきりさせることに努めています。そうすることで、成果を出すための戦略づくりができるからです」と話す二村さん。 サイトのリニューアルに限らず、経営課題を解決するためには何よりもヒアリングが重要と力説する二村さん。企業それぞれの本質をきちんと知ることこそ、いい結果につながっていくことを身に染みて理解している故の言葉だ。 次回はクライアントへの初回提案について考察する。

奥山泰広

株式会社POW-DER 代表取締役
1968年11月21日生まれ。慶應大学経済学部卒業後、出版社の世界文化社に入社。モノ&ファッションを扱う月刊誌Begin編集部配属され、2000年から編集長を務めました。2006年に退社し、1年間フリーの編集者の経験を積み、2007年11月に編集プロダクション株式会社POW-DERを設立。出版物の編集や広告案件、ファッションやスポーツ、クルマメーカーなどのカタログや広告などを中心に業務展開。現在では大学の広報誌や教育関係の専門誌、さらには企業のWEB制作や動画制作も手掛けています。
http://www.pow-der.jp

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