協業するなら、はじめ方よりやめ方を決めよう
- THINKING
DATE . 2025/06/06
自己紹介とこのnoteについて
こんにちは、二村康太です。
ブランド戦略やプロジェクトの立ち上げ、MVV設計などを通して、企業の“芯”を言語化し、組織や事業を前に進めるお手伝いをしています。
このnoteでは、日々の現場から考えたことを整理し、共有していくシリーズとして書いています。
今回は、「目的を共有する」ことの難しさ、そして協業をうまく進めるために必要な事前設計についてのお話です。
フラットな関係で事業をやるのは、なぜ難しい?
受託型のプロジェクトでは、最終的な意思決定者(=クライアント)がいるため、
プロジェクトを進める際の指針が明確です。
ところが、自社事業を“フラットな立場”で誰かと一緒に立ち上げるとなると、
一気に難易度が上がります。
代表的な例が、レベニューシェア型の協業プロジェクト。
A社とB社が利益を50%ずつ分け合う。あるいは出資比率に応じて取り分は変わっても、
意思決定権が対等であれば、両社は「対等なパートナー」という関係です。
一見フェアに見えますが、問題はここからです。
本業が優先される、という構造的リスク
このような協業は、多くの場合、本業とは別に“挑戦的な事業”として始まります。
すると、各社の状況によってコミット度合いが変わっていきます。
A社ではトラブルが起きてリソースが本業に取られる
B社では新しい案件が走っていて、そっちに集中したい
こうしてズレが生まれると、
「なぜもっとコミットしてくれないのか」「成果も出てないのにサボってるのでは?」
というような疑念や不満が蓄積していきます。
特にレベニューシェア型では、成果が出なければ報酬も出ないため、
“成果が出ていない=やっていない”と見なされやすくなるのです。
始める前に「終わり方」を決めておく
僕はこうした経験を何度もしてきましたし、
あらかじめこの展開が目に見えているので、むやみに協業はしないようにしています。
とはいえ、「この人となら」「この事業なら」と思える出会いがあると、
やはり一緒にやりたくなってしまうのも本音です。
では、どうすればいいのか?
答えはシンプルで、始める前に“撤退の条件”を明文化しておくこと。
どのタイミングでやめるか
撤退時の責任範囲
稼いだ資産の扱い
感情が絡んだ場合の対処法
まるで結婚前に離婚の話をするようで、ネガティブに思われるかもしれません。
ですが、最近は事実婚や婚前契約も一般的になってきたように、
協業にも「合意のフレーム」が必要だと感じています。
疑心暗鬼を防ぐ「稼働量と目標の見える化」
もうひとつ大切なのが、稼働量と目標(KPI)の可視化です。
「自社事業なのに、稼働を管理するなんてナンセンス」と思われるかもしれませんが、
相手の動きが見えない状態だと、不信感が膨らみやすいのが人間というもの。
「私はこれだけやってるのに、あの人は…」
「成果も出ていないのに何してるの?」
こうした感情の積み重ねが、疑心暗鬼→邪推→破綻というスパイラルを生みます。
稼働“目安”+KPI設計で信頼を保つ
理想は、「稼働量」はあくまで目安として設け、
本当に重要なのは成果(=KPI)であるという共通認識を持つこと。
多少サボっていようが、成果が出ていればOK
でも短期KPIだけに偏ると、歪んだ手法に走るリスクもある
だからこそ、KPI設計はミッションと連動しておくことが大前提。
単に「数字を作ること」ではなく、
“どんな状態を実現したいのか”という目的とセットで設計しておく必要があります。
おわりに:ワクワクと冷静さの両立を
協業って、ワクワクします。
目的や価値観が合っていれば、なおさら前向きな気持ちになります。
でも、その熱量だけで始めてしまうと、
やがて訪れる温度差に、関係性ごと揺さぶられてしまいます。
だからこそ、「始める前に冷静になること」もまた、誠実な準備だと思うのです。
いつかの予告:信頼ベースの協業設計
今回は、フラットな協業をめぐる難しさと、その対処法について書きました。
いつかは、もう一歩進んで、
感情的な衝突を減らす「関係性の設計」
KPIとミッションをどう結びつけるか?
協業で信頼を保ち続けるための具体的な工夫
といったテーマで掘り下げていきたいと思います。
また読みにきていただけたらうれしいです!
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