「レコメンド社会」の中で、偶然を信じ続ける理由
- THINKING
DATE . 2025/06/16
気づけば、何かを「自分で選ぶ」ということが難しくなっている気がします。
音楽や映画はレコメンドに任せ、マッチングアプリは性格診断でふるいにかける。
採用や人間関係さえも、スコアやアルゴリズムで最適化されていく現代――。
便利になった反面、偶然性や人間の直感、そして「なぜか惹かれるもの」への感度が、どんどん薄れてきているようにも感じます。
そんな時代だからこそ、僕は「日暮里ゼミナール」というPodcastを通じて、
誰かの人生に偶然出会い、そこから自分の可能性を見つけられる場を作りたいと思ったのかもしれません。
人生に「キク」ラジオを目指して
今日はもともと、母を母の実家に車で送っていく予定だったんですが、急遽キャンセルになって丸一日作業日に。
あまり打ち合わせもなかったので、僕がやっているPodcastのひとつ「日暮里ゼミナール」について少し書いてみたいと思います。
この番組は、「人生にキク」ラジオとして、人生のロールモデルを探すことを目的にスタートしました。
初期は、芸人から清掃会社の社長に転身したカラテカの入江慎也さんなど、“元○○、現○○”というドラクエの転職ばりにキャリアチェンジした方々にご登場いただいていました。
最近では、カルチャーや創作活動を軸に、自分の好きなことを仕事にしている人たちに登場してもらっています。
僕自身が「こんな人生の選び方があるのか」と思わされることが多くて、そこが番組の醍醐味だなと改めて思います。
ロールモデルは、用意されたものではない
この番組をやっていてよく思うのは、「正解」なんて、最初から用意されていないということです。
偏差値とか学歴とか、大企業とかフリーランスとか、そういう表層的な軸じゃなくて、
「どうやって自分の選択を正解にしてきたか?」という物語に触れることで、リスナーは自分の“好き”の深堀りや、“今のままでいいのか”という問いに向き合える。
そこにこそ、本当の意味での「ロールモデルに出会える場」の価値があると思っています。
MBTIと“選ばされる社会”について
本編の他に、「補講」という番外編シリーズも配信しています。
これは専門知識がなくても、あえて好き勝手に考察しようという企画で、最近はMBTI診断について話しました。
※MBTI自体は1921年に心理学者のユングが論じたようで、みんながやっている16personalitiesはそれとは別物ということのようです。ただ今はMBTIといえば、その診断のことを言うと思います。
最近の若者は血液型を聞くようにMBTIを聞くらしく、マッチングアプリでも相性診断がされているそうです。
ちなみに僕はENFJ(主人公)なんですが、若い人の中には「E(外向型)」ってだけで合わないって判断する人もいるんだとか(笑)
でも正直、本当に相性がわかるのは、データじゃなくて“関わりの中だと思うんですよね。
短期的な関係性や表層的なフィルターであれば、MBTI診断(あくまでも診断)みたいなツールは有益かもしれません。でも、深く長い関係においては、そんな簡単に“最適化”できるもんじゃないと思ってしまいます。
もう少し時間が経てば、そのマッチングシステムによる結果が出てくると思うのでそこで良し悪しが出るでしょうね。
レコメンドが奪っていくもの
MBTIに限らず、僕が最近思うのは、レコメンドが僕たちの“偶然の出会い”を奪っていっているということです。
音楽、映画、本、人――。
何かを「知ってしまう前の状態」で出会えるって、もう貴重な体験になってしまいました。
アルゴリズムは確かに便利ですが、「なぜか惹かれる」とか「これ、なんかいいかも」という不思議な感覚を置き去りにしてしまう気がします。
もちろん、僕もレコメンドを活用してはいますが、供給する方も利用する方も、考えながら使うべきだと思っています。
人間の感性やセレンディピティ(思いがけない偶然の発見)って、そんなに効率的じゃないんですよね。
でも、だからこそ面白いし、だからこそ記憶に残る。
「なぜか惹かれる」ものを、大切に
世の中はどんどん“選ばされる社会”になっているけど、
僕はこれからも「なぜか惹かれる」ものを大切にしたいと思っています。
自分で自分の感覚を信じて、自分で選び取っていくこと。
それは決して非合理的なことではなく、自分自身を深く知っていくことでもある。
日暮里ゼミナールは、そんな“偶然を信じる人たち”に向けたラジオとして、これからも続けていきます。
🔗 Podcast「日暮里ゼミナール」はこちら
※各種podcastで聴けます。
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