受託業のバランス感覚 〜依頼者と受託者のスタンスを揃えるには〜
- THINKING
DATE . 2025/06/14
昨日の夜は会食だったので、今日は日を跨いでの投稿です。
今回は「受託業」について少し真面目に書いてみようと思います。
といっても否定したいわけではありません。むしろ、依頼者と受託者の関係性をもっとよくしたい、という前向きな話です。
キャリアの半分以上は「受託業」でできている
自分がちゃんとキャリアとして働き始めたのは、事業会社でのスタートでしたが、
25歳からは本格的に受託業として仕事をするようになり、もう20年経ちます。
それでもなお、この業界は依頼者と受託者のバランスがまだ整っていないと感じます。
というのも、依頼者が思っている「これくらいの価値はあるはず」という期待と、
実際にその業務を担っている人に渡っている金額や条件に大きなギャップがあるからです。
期待値と実行コストのずれ
たとえば、大企業が大手広告代理店や開発会社にプロジェクトを発注する場合、
見積もり額は億単位ということも少なくありません。
しかしそのお金が、実務者であるデザイナーや開発者に届くときには、
その要件を実行するための金額としては不十分なこともザラにあります。
この状態で「最高のものを出してくれ」と言っても、それは無理な話です。
もちろん、間に立つ会社にはプロデュースやアカウント業務、責任を担っているわけで、
マージン自体を否定するつもりは全くありません。
ただし、期待値が下回らないようにする工夫、
モチベーションを維持できる仕組みが必要だと思うのです。
受託者側の問題 〜安請け合いの悪循環〜
一方で、受託者側にも問題はあります。
仕事を取らなければ生きていけない。わかります。
でも、だからといってどんぶり勘定で安く引き受けすぎてしまうと、
結果として「期待に対して全然足りない稼働」になります。
工数も足りない、時間もない、他の案件も同じように安く受けてしまってる。
当然、品質も落ちてしまう。
こうして悪循環が生まれます。
そして、誰かが安く受けると、それが“相場”になってしまう。
まっとうな見積もりを出した会社は「高すぎる」と言われて弾かれる。
これは、業界全体の問題です。
信頼と理解があるから、ちゃんとやれる
ありがたいことに、僕たちに依頼してくれる事業者さんたちは、
こういった背景をしっかり理解してくださる方が多いです。
だから、きちんと向き合えるし、いい仕事の仕方ができていると感じます。
そのためにはやっぱり、
なぜこの金額なのか?
どこにどれだけリソースが必要なのか?
どんな価値があるのか?
こういった説明をしっかりと行い、納得してもらうことが大切です。
「高いけど、ちゃんと理由がある」と思ってもらえれば、関係性は変わります。
三方よし、四方よし、そして自分よし
これはきれいごとじゃなく、
僕はクライアントの満足だけを考えているわけではありません。
自分自身が納得できる仕事か?
メンバーに無理を強いていないか?
パートナーにもちゃんとリターンがあるか?
結果として利をもたらされるであろう社会も含め、三方、あるいは四方よしの構造がなければ、
続かないし、何より面白くない。
だからこそ、いつも考えているのは、
「どうすれば全員にとって健全で、フェアな構造がつくれるか?」ということです。
バランスはつくるもの、アップデートし続けるもの
もちろん、最初からこんなバランス感覚があったわけじゃありません。
時間をかけて、経験を積み、失敗もたくさんしてきた中で、
ようやく“それなりに”バランスが取れるようになってきただけです。
説得力を持てるようになったこと。
金額に見合うアウトプットができるようになったこと。
それが、少しずつ信頼を生み出してくれました。
でも、これで完成ではありません。
時代も、働き方も、案件の性質も変わる中で、やり方も常にアップデートが必要です。
まとめ
受託業というのは、単なる労働ではなく、信頼を媒介とした関係性のビジネスです。
お互いが歩み寄らなければ、納得感のある成果物はつくれませんし、課題解決もできません。
だからこそ、
依頼者と受託者のスタンスを揃える努力は、
ものづくりやソリューションの前提として必要不可欠だと、僕は思っています。
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